プログラム

第1日目: 9月1日(金)
13:00-13:10開会挨拶
13:10-14:10

「超スマート社会と先進エネルギーシステム」
柏木 孝夫(東京工業大学)

2020年に向けてIoTも異次元の第5世代へ突入する.このIoTの進展により,これからのエネルギーシステムには変動性の大きな再生可能エネルギーを水素や蓄エネルギーシステムなどとのネットワーク化により,最大限取り込むことが可能となるスマートエネルギーマネージメントシステムが導入されることになる.これらの技術動向を踏まえ,すでにスマートコミュニティプロジェクトが国内外で実装段階に入りつつある.制度改革を含めこれらの動向を述べるとともに,これからのエネルギーシステムのグランドデザインについて言及したい.
14:10-14:20 休憩
14:20-15:00

「水素エネルギー研究の最前線 ~エネルギーキャリアの研究開発~」
上殿 紀夫(KRI)

エネルギーの安定供給と大幅な低炭素化を進めていく必要がある中で,水素エネルギーへの期待は大きいが,実用化に向けての技術的,経済的な課題も多く,社会実装に向けて多くの研究開発が進められている.ここでは,水素の貯蔵と長距離輸送を,より効率的に行なう「エネルギーキャリア」に注目し,その研究開発状況について紹介したい.
15:00-15:40

「水素ガスタービン・水素エンジンの開発」
餝 雅英(川崎重工業)

現在,CO2削減による地球環境保護のため水素の社会導入が検討されており,この取り組みの中では発電や舶用推進機としての利用が期待されている水素を燃料としたガスタービンおよびエンジンの研究開発が進められている.本講演では水素ガスタービンおよびエンジンの実現で最も重要な水素燃焼技術の研究開発状況について紹介する.
15:40-15:50 休憩
15:50-16:30

「ガスタービンの最新技術動向」
羽田 哲(三菱日立パワーシステムズ)

昨今の地球環境問題とエネルギー問題を解決する切り札のひとつとして,ガスタービンを主機としたコンバインド発電プラントの需要が世界的に旺盛である.また,負荷追従性に優れたガスタービンは,近年増加する再生可能エネルギーとの親和性も高く,更に水素燃料などのCO2を発生させない非化石燃料にも対応できることから,近年ますます注目を集めている.本講演では,大型の発電用ガスタービンの現状と今後の展望について概説する.
16:30-17:10

「原子力発電所の新規制基準及び運転延長にかかる対応について」
津山 和信(関西電力)

国内の原子力発電所については,福島第一発電所事故を教訓として,新しい規制基準が施行され,様々な安全対策が新たに実施されている.また,運転期間は40年とされ,一回に限り,最大20年の延長が認められている.これらの実施状況と今後の対応について話題提供する.
18:00-20:00 意見交換会
第2日目: 9月2日(土)
7:30-9:00朝食・チェックアウト
9:00-9:40

「熱エネルギーの狭帯域な熱輻射への変換」
浅野 卓,野田 進(京都大学)

本講演では,我々の研究グループで提案・研究してきた電子遷移と光共鳴の同時制御による狭帯域な熱輻射光源の開発について述べる.本手法で 初めて実現された必要とする波長のみで発光する狭帯域熱輻射光源は,センサー光源,照明等のエネルギー消費量の削減や,熱エネルギーを熱輻射を介して太陽電池で電力に変換する熱光発電技術の効率向上に大きく寄与しうる.
9:40-10:20

「海洋インバースダムを用いた電力貯蔵によるグリッド安定化と未来エネルギーシステム」
小西 哲之(京都大学)

「海洋インバースダム」は海中に構築した空間から水圧に抗して海水を排除することで大容量,高応答の蓄電を可能とする.一方未来の電力システムは先進国では再エネ比率増加による不安定化,途上国では小規模で未成熟なグリッドにより高品質な電力供給に困難が予想される.本講演では,近未来における電力市場と先進的蓄電技術の効果を考える.
10:20-10:30 休憩
10:30-11:10

「SOFC研究の最前線 -適用拡大へ向けて-」
岩井 裕(京都大学)

SOFCを搭載したエネファームは,その高い発電効率で注目を集めている.高効率以外にも,SOFCには注目に値する特徴がある.講演では,炭化水素燃料やアンモニアの直接供給などSOFCの燃料多様性に関する研究や,可逆性に注目した高温水蒸気電解,さらに金属の酸化還元反応と組み合わせた蓄電池への展開など,適用性の拡大をめざした最近の研究動向と課題について解説する.
11:10-11:50

「家庭用燃料電池コージェネレーションシステムの最新開発状況」
岩田 伸(大阪ガス)
大阪ガスでは,2009年の家庭用PEFCコージェネレーションシステムに続き,2012年に家庭用SOFCコージェネレーションシステムを販売開始して以来,SOFC方式の特長を活かしたコスト低減,発電効率向上,小型化などの技術革新と普及拡大に取り組んでいる.本講演ではこれらの最新の取り組み状況を紹介する.
11:50-12:00閉会挨拶