プログラム

第1日目: 8月28日(金)
13:00-13:10開会挨拶
13:10-13:50

「地衡流渦の制御とそのエネルギーの利用」
熊谷 道夫(立命館大学琵琶湖Σ研究センター)

圧力とコリオリ力がバランスして生じる渦流を地衡流渦と呼ぶ.琵琶湖の渦流を環流と呼び,そのエネルギーが,地球温暖化の進行に伴って増加している.海洋や湖沼に形成される地衡流渦を制御して,そのエネルギーを利活用したり,水中環境の調整や大気中に発生する低気圧の軽減に貢献できるかもしれない.このような取り組みの一端をご紹介したい.
13:50-14:00 休憩
14:00-14:40

「先端的気象シミュレーションによる乱流熱輸送現象の解明」
大西 領(国立研究開発法人 海洋研究開発機構地球情報基盤センター)

計算機性能の向上に伴って,気象シミュレーションの高解像度化や適用範囲の拡大が続いている.本講演では,当グループで開発を進めているMSSG(Multi-Scale Simulator for the Geoenvironment)と呼ぶ先端的な気象シミュレーションモデルの概要の紹介と,MSSGを用いた乱流熱輸送過程に関する研究の紹介を行う.
14:40-15:20

「マントル内部の不均質性が生み出す多様なプルームの姿」
熊谷 一郎(明星大学理工学部)

地球の進化において,マントル内部の熱物質輸送を担うプルームの果たす役割は大きい.近年,地震学的な観測などから,マントル内部は熱的・組成的に不均質であり,多様なプルーム像が見えつつある.本講演では,現在のマントル像や既存モデルでは説明し難い「謎」について概説し,地球内部のダイナミックな現象について流体力学的な視点から議論する.
15:20-15:30 休憩
15:30-16:10

「家庭用給湯器の環境対応技術」
濱田 哲郎(㈱ノーリツ 研究開発本部)

家庭におけるエネルギー消費のおよそ3割を占める給湯器については,近年,様々な環境配慮型商品が発売されている.ここでは各商品の現状を整理するとともに,キーデバイスである”熱交換器”の技術について紹介する.
16:10-16:50

「熱音響技術の可能性と課題について」
坂本 眞一(滋賀県立大学 工学部)

熱音響技術は環境問題などの解決に寄与できるとして,ここ数年注目をされている.この技術の基礎となる熱音響現象について説明し,その後に,これまでの取り組み,今後の課題について共有させていただきたいと考えている.
17:00-18:00 宿泊室入室
18:00-20:00 意見交換会
20:00-24:00 入浴
第2日目: 8月29日(土)
7:30-9:00朝食・チェックアウト
9:00-9:40

「水素インフラ普及への課題と熱物性測定」
高田 保之(九州大学大学院 工学研究院)

昨年末に発売を開始した商用燃料電池自動車の普及のためには水素ステーション等インフラの整備が必要です.日本の水素ステーションは海外に比べて非常に高価で,規制も厳しいことから,その普及は思うように進んでいません.講演では,水素インフラに係る技術的な課題と九州大学水素材料先端科学研究センターで行われている高圧水素物性測定研究の一端を紹介します.
9:40-10:20

「自動車用の最新熱交換器の紹介」
佐藤 英明(㈱デンソー 熱交換器開発部)

近年,地球環境保護の観点から省エネルギ化のニーズは益々高まっており,自動車に関しても全世界的に燃費規制が強化されている.そのため,燃費向上を狙い,EV/HV化,過給D/S化などパワートレーンの多様化が進んでいる.その多様化に対応する,パワトレ系冷却およびエアコンに用いる新型の熱交換器について紹介する.
10:20-10:30 休憩
10:30-11:10

「集光型太陽熱発電(CSP)の現状とソーラーレシーバの研究開発」
松原 幸治(新潟大学 工学部)

欧州や米国で集光型太陽熱発電(CSP, Concentrated Solar Power)が実用化し,今後はアジアのサンベルトへの展開が予想される.最新のプラントでは集光した太陽光の集熱と蓄熱により24時間発電が可能である.講演では,太陽熱発電プラントの現状と,高温型の太陽集熱器(ソーラーレシーバ)の研究開発の動向について解説する.
11:10-11:50

「関西のエネルギー事情と夏季の節電・ヒートアイランド対策」
西村 伸也(大阪市立大学)
東日本大震災を契機としてわが国のエネルギー事情は一変した.本講演では,電力を中心に,関西地域のエネルギー利用の現状と,電力需給が逼迫する夏季における,節電とヒートアイランド対策についての技術メニューと,それらを横断的に評価する手法を紹介する.
11:50-12:00閉会挨拶